喪主が長女

喪主が長女の場合

葬儀やお通夜の準備を行う場合、喪主を決めてから進めることになるのですが、故人の遺言があるならそれを尊重し決定することになります。遺言等がない場合は、配偶者、或いは長男、次男、長女、次女など故人と直系の男子または女子、或いは故人の両親が引き受けることになります。このように、故人と深い縁にある人が喪主を務めるのが一般的ですが、法的には特別な決まりはありません。

現代は少子化ということもあって、故人のお子さんが女性一人だけの場合も少なくありません。既に故人の配偶者が亡くなっていて、娘さんも結婚している場合もあります。このように、苗字が夫の姓になっている娘が喪主になることももちろん可能です。お子さんの夫が喪主になることもできますのでどちらでも良いのですが、親戚やご近所の方などに対応することを考えると娘さんが喪主になった方が良いとも言えます。それに、中には故人の娘の夫が喪主を行うことを快く思わない義父義母もいますから、慎重に決めることをお勧めします。

また、生前故人を長く介護していたのが長男ではなく長女である場合も少なくありません。この場合も、故人が生前同居していたのが長女であれば長女が喪主を務めるのも皆納得できるでしょう。他にも、故人の遺言の中に喪主を長女にお願いしたいと記載されてあれば、やはりそれを尊重していくことになります。

ただ、喪主を引き受けると、必ず「祭祀継承者」にならなくてはいけないと認識している方も中にはいらっしゃるようです。祭祀継承者とは、「系譜」と「祭具」と「墳墓」を引き継ぐ人。簡単に言えば、お墓や仏壇などを継ぐ人のことです。こういったものは、分けて相続してしまうと、法要を行う時に何かと面倒になってしまいます。ですから、一人が引き継ぐことになっているのです。

法律を見ると、喪主が必ず祭祀継承者になるといった決まりはありません。喪主を引き受ける引き受けないに関係なく、祭祀継承者については話し合いで決定することになります。話し合いで決まらなかった場合は、家庭裁判所の調停や審判で決定することとなります。ですから、既婚の娘が喪主を引き受けてもデメリットのようなものはないといって良いでしょう。長男が喪主でも長女が喪主であっても、やるべきことは同じです。

また、長女が喪主を引き受けた場合、親戚やご近所の方と話しやすいといったメリットもあるかもしれません。ただ、これもあくまでも一つのイメージです。いずれにしても、葬儀をスムーズに進める為にもよく話し合って決めることが必要です。