生前葬・事前相談

中高年の方々が終活セミナーの参加
ひと昔前までは、元気なうちに死や葬儀のことを考えてたり口にすることがタブーだと言われていました。 現代では、少子高齢化や核家族化が進行する中で、多くの中高年の方々が葬儀会館の見学や、終活セミナーの参加、生前予約などをされています。
葬儀の事前の準備にも、さまざまな段階があります。
それらは以下のようになるのではないでしょうか。
〇葬儀の見学会や終活セミナーの参加
↓
〇葬儀社との対面での事前相談
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〇葬儀社への生前予約、会員制度の入会
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〇葬儀社との生前契約
これらを具体的に見ていきましょう。
1)見学会やセミナーへの参加
会館やセミナーへの参加はさほど難しいことはありません。施設を見学する。葬儀についての色々な話を聞いてみるというだけでも有益です。普段なかなか接することのできな葬儀についてイメージすることができますし、その経験があることで、いざという時の精神的な負担も大きく軽減されるでしょう。 気をつけなければならないのは、うかつに個人情報などを伝えないことです。あくまでまだまだ見学の段階です。スタッフの口の上手さに誘われないようにしましょう。
2)葬儀社との対面の事前相談
事前相談ともなると、話は徐々に込み入ってきます。こちらの個人情報や家族構成や予算についても伝えなければならないでしょうから、葬儀社と信頼関係が築けるかどうかがポイントです。もちろん、事前相談は無料です。相談したからと言って、必ずその葬儀社に依頼しなければならないというわけでもありません。
- 〇いま、対象者がどのような状態なのか
- 〇いざという時のお迎え先はどちらか
- 〇ご安置先はどちらか
- 〇葬儀はどこで執り行いたいか
- 〇菩提寺はあるかないか。あるならどこか、なければどういった宗教形態で葬儀を考えているか
- 〇何名くらいの参列を考えているか
- 〇どのような祭壇を飾るか
- 〇どのような棺に故人を納めるか
- 〇参列者へのおもてなしはどうするか(料理や返礼品)
・・・などなど、いざ葬儀の時に打合せしなければならないこと事前に確認しておくことで、いざという時には遺族と葬儀社の双方で負担が軽減され、スムーズに事が運びます。そういう意味でも事前相談はとても有益だと言えるでしょう。
3)葬儀社への生前予約、会員制度の入会
予約や入会となりますと、葬儀社との関わり合いはさらに強くなります。
お金の支払いが発生するからです。
多くの葬儀社では、1人でも多くの顧客を囲い込みたいと考えますし、早くからわが社を信頼して下さるお客様にはなんらかの形で還元したいと考えるのは企業としても当然の考え方であり、みなさまにもよく理解できることでしょう。
よく見かける会員特典としては、
常価格○○万円 → 会員価格●●万円
というものではないでしょうか。
葬儀費用や葬儀にまつわる商品の価格には相場があってないようなところが未だにあります。どれだけお得に感じられたとしても、その一社だけで決めてしまうのではなくて、複数の葬儀社との費用の比較検討をした上で、その葬儀社の会員価格が本当に安いのかどうかを見極める必要があるでしょう。
もちろん! 安いだけが葬儀社の価値ではありません。葬儀社の雰囲気、会館の設備、スタッフの人柄や提案力などから、総合的に判断するのが賢明です。
また、入会制度には主に2つあり、ひとつは入会金のみを1度支払う制度、もうひとつは掛け金を月々支払う制度。
後者は主に「互助会」と呼ばれる葬儀社が採用している支払いシステムです。
このシステムそのものは、「割賦販売法」という法律の下、経済産業省の許可事業として行われているために、何ら問題はありません。ところが、万一の際は掛け金の2分の1しか保証がされず、あとの半分の金額を先行して設備投資などに回しているために、互助会葬儀社にとっては会員数の維持と増加こそが生命線であり、それゆえに、強引な勧誘や解約渋りなどのトラブルがあとを絶ちません。
また、掛け金が満期なったとしても、その金額では葬儀費用にはとても足りなく、これもトラブルの原因となっています。
予約や入会の際にお金の支払いが伴う場合は慎重に判断しましょう。
生前葬儀予約・契約
基本的なこととして、自分の弔いは自分ですることはできません。
死を迎えてしまうと、どうがんばっても自分自身が弔いの主体になんてなれないからです。儒教的な考え方が浸透している日本社会では子が親の葬儀を出したり供養をしたりしていましたが、「おひとりさま」という言葉が社会の中で認知されていくように、親子という縦の関係そのものを持たない、持てない人が増えているのが実態です。
このような方々が利用できるサービスとして最近注目を集めているのが葬儀社との生前契約です。
事前相談や生前予約と決定的に違うのは、葬儀内容の決定や金銭の支払いを、自分自身が行うという点です。
自分自身の葬儀をプランニングであれば、事前相談や生前予約でも可能ですが、それの費用の支払いを誰がするのかとなると、喪主たる家族や親族に任せるしかないですよね。
しかし、この生前契約では葬儀の契約主が自分自身になるわけですから、当然支払いも自分ですることになります。
こうした生前契約では課題がいくつかありました。
まず、葬儀が発生した際の支払いをどうするのか。
葬儀は、予め1円単位まで金額が決められないという特性があります。逝去から安置場所までの搬送距離や、逝去から火葬までの安置日数、ドライアイスの使用料など、数量が変動する可能性があるものがいくつかあるからです。
その上、支払いを済ませた後に万一葬儀社が倒産した場合に、その費用は返金されるのでしょうか。
また、支払者たる本人が死亡しているわけですから、契約内容を葬儀社がきちんと履行してくれるのかという問題もあります。
生前契約には、以上のような問題がかならずまといつきます。ですから必ず葬儀信託の取り扱いのある葬儀社、あるいは信託会社に相談しましょう。
葬儀信託とは、葬儀費用を事前に信託会社に預け、葬儀が発生した場合に支払いを代行してくれるシステムです。
このシステムの場合
- 1)金融機関や信託会社が支払金を管理、支払い代行してくれる
- 2)万一会社が倒産しても預けたお金は全額保証される
- 3)葬儀社が契約内容を履行するかを第三者機関が監視してくれる
・・・という3点をきちんと確認しておきましょう。
また、一度プランを決定しても、プランの見直し、契約書の定期的な更新が約束されている、契約の解除も可能かも確認しておきましょう。
契約時から日が経つことで、契約者の考えや事情が変わることもありますからね。
葬儀信託は「おひとりさま」向けだけのサービスではありません。
喪主となる子の世代の負担を少しでも減らしておきたい方が利用されることもあります。
親族が故人の口座からお金を引き出そうとしても、口座は凍結されて、もろもろの手続きが必要となりますが、葬儀信託だとすぐに葬儀費用が支払われます。
4)生前葬儀とは
元気なうちから葬儀について考える方はいますが、生前に葬儀をする方もいるようです。
とはいえ、葬儀とは「葬る儀式」ですから、生前葬とは疑似葬儀でしかないわけです。生前葬をしたからといって、本当に死亡した時に葬儀をしなくてもよい、なんてわけにはいきませんし、死の報せを受けた時に「生前葬に参列したからもう参列しなくてもよいだろう」と考える人がはたしてどれほどいるでしょうか。
ものめずらしいためにメディアが取り上げこそはするものの、生前葬をする人はほとんどいないというのが実態のようですし、むしろそれは「生前葬」という名のパーティーでしかないようです。
5)1人で考えずに、誰かを巻き込んでの終活が理想
事前に葬儀について考えておくにも段階があるというのを分かって頂けましたでしょうか?
元気なうちに葬儀について考えておくことは、よい面もあるのですが、必ずしもそのセルフプランニング通りに葬儀が執り行われるとは限りません。
お金の工面も大変なのですが、もっと大変なのは人の手当だと言われています。誰が弔ってくれるのか、誰に弔われたいのか。
メモ書きや手紙のような形式の遺書を通じて喪主や葬儀の方法を指定することに法的あるいは感情的な拘束力はありませんし、遺言では、「祭祀承継者の指定」こそはできても、葬儀の方法までを命じることはできないようです。
自分一人で決めるには限界がある自分の葬儀。
大切なのは、元気なうちから周りの人たち、自分が弔ってほしい人(配偶者や子や兄弟、あるいは友人など)と相談したり話をしてみることが、よりより終活の第一歩ではないでしょうか。
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葬儀社選びのポイント

葬儀社選びは、遺族の代表としてお葬式をまとめる喪主、そして家族が故人を無事に送り出すために、最も大切な仕事と言っても過言ではありません。今回は、そもそも葬儀社とは何か?そしてどんな種類があるのか?そして、気になる費用について、失敗がない葬儀社選びの方法についてご紹介します。