家族葬の費用相場とは？後悔しないためのポイントも解説
近年、家族葬を選ぶ方が急増しています。家族やごく親しい人だけで静かにお別れをしたい、できるだけ葬儀費用を抑えたい、そうした理由から、従来の大規模な葬儀ではなく、家族葬を選ぶ方が増えているのです。しかし、「実際に家族葬にはどれくらいの費用がかかるのか」「費用を安くするコツはあるのか」「一般葬とはどう違うのか」など、不安や疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。本記事では、家族葬の費用相場とその内訳、費用を抑えるための具体的な方法、葬儀社の選び方、トラブルになりやすいポイントや注意点まで、初めての方にもわかりやすく徹底的に解説します。大切なご家族との最後のお別れが後悔のないものになるよう、ぜひ参考になさってください。
家族葬とは？～その特徴と近年の増加理由～
家族葬の基本的な定義と流れ
家族葬とは、家族やごく親しい親族、友人だけで小規模に執り行う葬儀のことです。一般的な葬儀と比べて参列者が少なく、ご遺族がゆったりとした気持ちで故人を見送れる点が大きな特徴です。家族葬の葬儀の流れは、基本的に一般葬と同じく「お通夜→葬儀・告別式→火葬」の順で進みます。ただし、一日だけで済ませる「一日葬」や、通夜を省略するケースも増えてきました。家族葬には厳密な定義はありませんが、一般的には10～30人ほどで行われることが多く、費用面・精神面の負担を軽減したい方に選ばれています。
家族葬が選ばれる背景とメリット
家族葬が広がってきた背景には、少子高齢化や家族構成の変化、価値観の多様化などが挙げられます。従来のように地域全体や会社関係者を呼ぶ大規模な葬儀よりも、故人や遺族の希望を重視し、心からの「お別れの時間」を大切にしたいと考える方が増えているのです。家族葬の主なメリットは以下の通りです。
- ・少人数なので、落ち着いて故人との最後の時間を過ごせる
- ・葬儀費用が一般葬より抑えやすい
- ・葬儀の内容を家族の希望に合わせやすい
- ・参列者の対応に追われる負担が少ない
家族葬の費用相場～いくらかかる？～
全国の平均額と価格帯
家族葬の費用相場は、さまざまな調査によると約100万円～110万円前後が全国的な平均とされています（2024年、鎌倉新書「第6回お葬式に関する全国調査」ほか）。家族葬の最も多い価格帯は「60万円～80万円未満」であり、内容や規模、地域によって大きく変動するのが現実です。また、10人規模なら40万円台から可能な場合もあれば、20人規模なら100万円前後が目安です。ここで注意したいのは、この金額には葬儀社への基本費用のほか、飲食費や返礼品費も含まれていますが、「僧侶へのお布施」などは含まれないことが多い点です。
家族葬にかかる主な費用の内訳
家族葬にかかる費用は、大きく次の5つに分けられます。
- ・葬儀社に支払う基本料金（祭壇、棺、遺影、運営費など）
- ・火葬料金（自治体や火葬場によって異なる）
- ・宗教者への謝礼（お布施など）
- ・飲食費（通夜振る舞いや精進落とし）
- ・返礼品費（会葬御礼、香典返しなど）
内訳ごとの目安金額
・葬儀社への基本料金：平均70万～75万円前後。これには斎場や火葬場の利用料、寝台車や霊柩車の搬送代、棺・祭壇・遺影などが含まれます。
・火葬料金：公営の場合は0～5万円程度、民営の場合は5万～12万円程度。地域による違いも大きいので、見積もりの際に必ず確認しましょう。
・お布施：最低15万円～20万円前後が目安。戒名の有無や宗派によってはさらに高額になる場合もあります。
・飲食費：10万円～20万円程度（通夜振る舞いや精進落とし1人2,000円～5,000円が相場）。参列者の人数によって変動します。
・返礼品費：10万円～20万円程度。会葬御礼（500～1,000円程度の品）、香典返し（3,000～5,000円程度の品）が一般的です。
全体の平均としては、100万円～110万円となるケースが多いです。
一般葬との費用・内容の違い
参列者の人数と費用差
一般葬と家族葬では、参列者の人数とそれに伴う費用に大きな違いがあります。一般葬の場合、費用相場は約160万円前後で、参列者は数十人～100人を超える場合も多くなります。その分、式場や祭壇が大規模となり、料理・返礼品の準備やスタッフの手配も増えます。対して家族葬は参列者数10～30人程度で済み、会場も小規模なものを利用できるため、全体の費用を抑えやすいのです。ただし、参列者が少ない分、いただける香典の額も減るため、「自己負担額が高くなる」という点には注意しましょう。
費用が変わるポイントと見落としがちな項目
家族葬も一般葬も「追加費用」に注意が必要です。
- ・火葬場や斎場の使用料が基本プランに含まれているか
- ・安置日数が増えた場合の追加料金
- ・祭壇や棺のグレードアップによるオプション費用
- ・会葬礼状や返礼品の追加手配
- ・交通費や宿泊費
家族葬の費用を抑える具体的なコツ
プラン選びと見積りのポイント
費用を無理なく抑えるには、料金プランが明確な葬儀社を選ぶことが大切です。複数社の見積もりを比較し、どこまでがプランに含まれているか、追加費用が発生する条件は何か、細かく確認しましょう。例えば「火葬場の利用料」「安置料金」「ドライアイスの追加」などが別料金の場合もあります。また、事前相談や会員制度を活用することで割引が受けられることもあります。家族葬や小規模葬専門の葬儀社では、費用や対応内容がわかりやすいセットプランを用意していることも多いです。
費用を抑えるための工夫例
家族葬の費用を抑えるには、次のような工夫が有効です。
- ・公営斎場や公営火葬場を利用する
- ・必要最低限のオプションだけにする（祭壇や棺のグレードアップは控える）
- ・通夜振る舞いや精進落としを省略する（軽食に変更するなど）
- ・会葬御礼・返礼品も最低限に抑える
- ・生前予約・事前相談で割引を活用する
- ・自治体の葬祭費補助や埋葬料給付制度を利用する
費用を安くするために注意したい点
費用を抑えたいからといって、必要なサービスまで削ってしまうと「思っていた内容と違った」「家族間でトラブルが発生した」など、後悔につながることもあります。見積もりを取る際は、どこまでが基本プランに含まれているか、オプションで追加したい項目は何か、よくご家族で話し合いましょう。特にお布施や宗教者への謝礼は「領収書が出ない支払い」になることが多いため、相場や支払い方法についても事前に確認するのが安心です。
家族葬を行う際に注意したいこと
参列者の範囲とトラブル回避
家族葬はごく限られた人だけを呼ぶ葬儀です。そのため「なぜ呼ばなかったのか」という不満や、後日弔問客が来ることによるご遺族の負担増などのトラブルにつながることもあります。特に相続人や近い親戚には配慮して声をかけましょう。参列しなかった方へは葬儀後に訃報を伝えることが多いですが、弔問や香典を辞退したい場合は、その旨をしっかり伝えておくのがマナーです。
香典収入が減るデメリット
家族葬は参列者が少ない分、香典収入も減る傾向にあります。費用をまかなうために香典をあてにしていると、自己負担額が想像以上に増える場合もあります。特に葬儀後の香典返し（即日返し）の費用も考慮して、予算を組むことが重要です。香典で葬儀費用をすべてまかなえるとは考えず、あくまで「自己負担が基本」と捉えておくと良いでしょう。
費用負担を軽減するための社会制度・補助
自治体の葬祭費給付制度と埋葬料
国民健康保険や後期高齢者医療制度などに加入していた方が亡くなった場合、葬祭費（5万円程度）が自治体から支給される制度があります。
- ・給付要件や金額は自治体ごとに異なるため、事前に自治体ホームページなどで確認しましょう
- ・健康保険や共済制度の埋葬料（5万円）が支給される場合もあります
- ・申請には期限や必要書類があるため、早めに手続きを進めましょう
相続財産から葬儀費用を支払う場合
葬儀費用は、相続人全員の同意があれば故人の遺産から支払うことができます。この場合、支払った金額は相続税の課税対象から控除できるため、相続税の負担を減らすことにもつながります。葬儀費用として控除を受けるには、領収書や明細書をきちんと保管しておくことが大切です。また、お布施やお車代など領収書が出ないものについても、支払先・金額・用途などを記録に残しておきましょう。
家族葬でよくある質問と疑問
家族葬は本当に安くできるの？
家族葬は一般葬より費用を抑えやすい傾向がありますが、必ずしも「格安」になるとは限りません。希望する内容やオプションによっては費用が高額になることもあります。大切なのは「何を重視したいか」をご家族でよく話し合い、納得できるプランを選ぶことです。
家族葬の参列者は誰まで呼ぶべき？
家族葬の参列者は、基本的には親族・ごく親しい友人などに限定されますが、「どこまで呼ぶか」に明確な決まりはありません。迷った場合は、後々のトラブルを避けるためにも「お声かけしておく」のが無難です。参列しない方へは、葬儀後に改めて訃報を伝えれば問題ありません。
費用を抑える一番のコツは？
一番効果的なのは「複数の葬儀社で見積りを取り、内容を比較すること」です。その上で、公営施設の活用やオプションの見直し、生前予約や自治体の制度利用などを組み合わせることで、納得できる範囲で費用を抑えられます。無理に安さだけを追求せず、満足できるお別れを目指しましょう。
まとめ～家族葬の費用は納得のいくお別れのために～
家族葬の費用相場は、全国平均で100万円～110万円程度です。参列者の人数や地域、希望する内容によって幅がありますが、無理なく抑えるためには「費用の内訳を把握し、複数の見積もりを比較する」「公的制度や補助も活用する」「ご家族でよく話し合う」ことが何より大切です。大切な方との最期の時間が、後悔のないものとなるよう、この記事が少しでもお役に立てば幸いです。わからないことや不安な点があれば、遠慮なく葬儀社や専門家へご相談ください。
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お葬式の流れ・日程
「葬儀」と「告別式」は異なるものです。葬儀は、宗教的儀式。告別式は、会葬者が故人にお別れを行う為の儀式です。かつては、葬儀と告別式を別々に行うことが多かったのですが、現在は一緒に行うことが多いようです。葬儀の当日は、開始する一時間前には会場に到着し、受付の準備などを行ったりします。
喪主の仕事
葬儀を行う場合、できるだけ早めに喪主を決める必要があります。そして、病院からご遺体をどこに搬送するかを決め、葬儀社を決定しなければなりません。喪主は、お通夜や葬儀を行う場所や日取りをはじめ、料理の手配や遺影の準備、返礼品の準備など、これらを取り仕切っていくこととなります。
喪主が長女の場合
葬儀やお通夜の準備を行う場合、喪主を決めてから進めることになるのですが、故人の遺言があるならそれを尊重し決定することになります。遺言等がない場合は、配偶者、或いは長男、次男、長女、次女など故人と直系の男子または女子、或いは故人の両親が引き受けることになります。
