お葬式のお焼香マナー|知っておきたい基本作法
お葬式の場で欠かせない儀式のひとつが「焼香」です。焼香は故人や仏さまへ敬意と哀悼の気持ちを伝えるだけでなく、香りや煙で空間と心身を清める大切な作法です。ですが、「正しいやり方がわからない」「宗派によって違いがあると聞いて不安」「自分の順番が来ると緊張する」と感じる方も少なくありません。葬儀は突然の場面が多いため、事前に知識を持っていると安心です。本記事では、お葬式での焼香の意味や基本マナー、宗派や焼香の種類による違い、初めての方でも迷わないポイントをやさしく解説します。参列する皆さまが故人への想いをきちんと届けられるよう、焼香のマナーと心構えを一緒に確認しましょう。
焼香とは?お葬式での役割と意味
焼香の基本的な意味と目的
焼香は、仏式のお葬式や法事で欠かせない儀式のひとつです。お香(抹香)を焚くことで、仏さまや故人に敬意を表し、心身と空間を清める意味があります。香りで心を落ち着かせ、哀悼の念を捧げると同時に、他の参列者や遺族にも誠意を示す大切な作法です。現代では宗派や地域によって細かな違いもありますが、基本的な流れを知っていればどの場面でも安心して参列できます。
焼香の順番・流れ
お葬式の焼香は、一般的に「喪主→遺族→親族→参列者(友人・知人)」の順に行います。座席順や焼香の案内は、式場スタッフや葬儀社が誘導してくれる場合がほとんどです。自分の順番が来たら落ち着いて、作法を意識しながら焼香台へ進みましょう。
- ・喪主・遺族・親族・一般参列者の順で焼香する
- ・席を立つ前や焼香台へ進む前に一礼する
- ・順番や進み方が不安な場合は、スタッフに尋ねてOK
焼香のやり方と種類
立礼焼香・座礼焼香・回し焼香の違い
焼香には会場や葬儀の形式に合わせて、いくつかのやり方があります。最も一般的なのが「立礼焼香(りつれいしょうこう)」で、椅子席の会場で参列者が立ったまま焼香を行います。「座礼焼香(ざれいしょうこう)」は和室や畳の会場で座ったまま焼香する方法です。また、家庭葬や小規模な法要では「回し焼香」といって焼香台や香炉をお盆で順番に回して行う場合もあります。基本的な流れを押さえておけば、どの焼香でも落ち着いて対応できます。
- ・立礼焼香:椅子席で立ったまま焼香(現在の主流)
- ・座礼焼香:畳や和室で座ったまま焼香
- ・回し焼香:焼香台や香炉を席で順に回すスタイル
焼香の基本作法(立礼焼香の例)
1. 順番が来たら静かに席を立ち、数珠を持って遺族・僧侶へ一礼して焼香台へ進みます。
2. 遺影(またはご本尊)に一礼し、合掌します。
3. 右手3本指(親指・人差し指・中指)で抹香をつまみ、額の高さまで軽くおしいただく(宗派により異なる)
4. 香炉へ静かに抹香を落とします(1~3回、宗派による)
5. 再度合掌し、遺影や遺族に一礼して席へ戻ります。
この一連の流れを静かに丁寧に行うことが大切です。
宗派・種類による焼香の違い
主な宗派ごとの作法の違い
仏教の宗派によって焼香の回数や細かな作法が異なります。地域差もあるため、迷った場合は葬儀社や遺族、僧侶に尋ねましょう。主な宗派と特徴は以下の通りです。
- ・浄土宗:1~3回(1回が多い)、額におしいただく
- ・浄土真宗本願寺派:1回、おしいただかない
- ・浄土真宗大谷派:2回、おしいただかない
- ・曹洞宗:2回、1回目のみおしいただく
- ・臨済宗・天台宗:1回または3回
- ・真言宗:3回、すべておしいただく
- ・日蓮宗:1~3回(おしいただく)
どの宗派でも「心を込めて静かに焼香する」ことが最も大切です。作法が分からない時は、前の人のやり方を参考にするのも一つの方法です。
神道やキリスト教葬儀の場合
仏式以外のお葬式では焼香を行いません。神道の場合は「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」、キリスト教では「献花」など、宗教ごとに異なる供養方法があります。案内や司会者の指示に従いましょう。
焼香のマナーと注意点
数珠や服装のマナー
焼香の際は必ず数珠を持ち、手に掛けて合掌します。数珠は略式でも問題ありませんが、貸し借りはマナー違反です。服装はブラックフォーマルが基本で、男性は黒のスーツ・白シャツ・黒ネクタイ、女性は黒のワンピースやアンサンブル、黒ストッキングと黒い靴が基本です。アクセサリーや派手な装飾は控えめにしましょう。平服で参列の場合も、地味な色合い・デザインを心がけます。
焼香時の振る舞いと言葉づかい
焼香中は静かに落ち着いて行動し、大きな音を立てたり私語を控えたりと、周囲への配慮が大切です。遺族や他の参列者に失礼のないよう、式全体を通じて思いやりのある態度を意識しましょう。焼香台に進む前後も、一礼や合掌を忘れず、葬儀が終わった後も「このたびはご愁傷様です」など、適切な言葉でご遺族にお悔やみの気持ちを伝えてください。
- ・数珠は必ず持参し、貸し借りは避ける
- ・ブラックフォーマルが基本、平服でも地味な装いを心がける
- ・静かで丁寧な動作・言葉遣いを意識する
焼香に迷ったとき・弔問時の対応
葬儀の形式や宗派、地域差により焼香作法が異なるため、分からない場合は司会者や葬儀社スタッフ、あるいは近くの方に相談して大丈夫です。後日、弔問で焼香をする場合は事前に遺族へ連絡し、都合の良い日時を確認しましょう。自宅での焼香は49日以内が目安です。
まとめ:お焼香マナーで大切にしたいこと
焼香は故人への敬意とご遺族への思いやりを表す、葬儀で欠かせない儀式です。やり方や作法に迷った時も、静かに心を込めて行うことが何よりも大切です。宗派や地域の違いはありますが、基本的な流れを知り、落ち着いて対応すれば大丈夫です。不安な時は前の人やスタッフに聞いても問題ありません。数珠や服装、言葉遣いにも配慮し、周囲への思いやりを忘れずに行動しましょう。正しい焼香マナーを身につけておくことで、安心して故人を偲ぶ気持ちを伝えることができます。
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お葬式の流れ・日程

「葬儀」と「告別式」は異なるものです。葬儀は、宗教的儀式。告別式は、会葬者が故人にお別れを行う為の儀式です。かつては、葬儀と告別式を別々に行うことが多かったのですが、現在は一緒に行うことが多いようです。葬儀の当日は、開始する一時間前には会場に到着し、受付の準備などを行ったりします。
喪主の仕事

葬儀を行う場合、できるだけ早めに喪主を決める必要があります。そして、病院からご遺体をどこに搬送するかを決め、葬儀社を決定しなければなりません。喪主は、お通夜や葬儀を行う場所や日取りをはじめ、料理の手配や遺影の準備、返礼品の準備など、これらを取り仕切っていくこととなります。
喪主が長女の場合

葬儀やお通夜の準備を行う場合、喪主を決めてから進めることになるのですが、故人の遺言があるならそれを尊重し決定することになります。遺言等がない場合は、配偶者、或いは長男、次男、長女、次女など故人と直系の男子または女子、或いは故人の両親が引き受けることになります。




































